解説

電力会社を乗り換えるデメリット

直近12か月の条件で安いプランに乗り換えても、燃料価格が上がった時期に差が逆になることがあります。

大手電力会社の従量電灯(A・Bなど)の燃料費調整には上限があります。

上限のないプランは、燃料価格が上限をこえた分だけ、従量電灯より高くなります。

いまの料金表で計算すると

2022〜23年の燃料価格を当てはめたとき、従量電灯が上限で止まる月があるのは中部・関西・九州です。

この3エリアでは、5年のうち24か月が2022〜23年の燃料価格になると、直近12か月の条件で安いプランもすべて従量電灯より高くなるか、ほぼ同額になります(5年の差が1,500円未満)。

ほかの7エリアは、従量電灯の上限が2022〜23年の燃料価格より高く、高騰の24か月も従量電灯は上限で止まりません。

この7エリアでは、直近12か月の条件で従量電灯より安いプランは、5年に1回の高騰があっても安いままです。

北海道

9プランを比較

従量電灯より安いプラン

直近12か月8 / 9プラン
5年に高騰1回8 / 9プラン

従量電灯が上限で止まる期間0 / 24か月

直近12か月で最も安い条件なしのプラン

超TERASELプラン

直近12か月
3,897円安い
5年・高騰1回
19,484円安い

東北

9プランを比較

従量電灯より安いプラン

直近12か月7 / 9プラン
5年に高騰1回7 / 9プラン

従量電灯が上限で止まる期間0 / 24か月

直近12か月で最も安い条件なしのプラン

TERASELプラン

直近12か月
2,988円安い
5年・高騰1回
14,940円安い

東京

9プランを比較

従量電灯より安いプラン

直近12か月7 / 9プラン
5年に高騰1回7 / 9プラン

従量電灯が上限で止まる期間0 / 24か月

直近12か月で最も安い条件なしのプラン

超TERASELプラン

直近12か月
3,594円安い
5年・高騰1回
17,972円安い

中部

10プランを比較

従量電灯より安いプラン

直近12か月6 / 10プラン
5年に高騰1回0 / 10プラン

従量電灯が上限で止まる期間10 / 24か月

直近12か月で最も安い条件なしのプラン

まちエネ きほんプラン

直近12か月
2,315円安い
5年・高騰1回
802円安い

北陸

6プランを比較

従量電灯より安いプラン

直近12か月4 / 6プラン
5年に高騰1回4 / 6プラン

従量電灯が上限で止まる期間0 / 24か月

直近12か月で最も安い条件なしのプラン

TERASELプラン

直近12か月
2,928円安い
5年・高騰1回
14,634円安い

関西

8プランを比較

従量電灯より安いプラン

直近12か月1 / 8プラン
5年に高騰1回0 / 8プラン

従量電灯が上限で止まる期間22 / 24か月

直近12か月で最も安い条件なしのプラン

TERASELプラン

直近12か月
482円安い
5年・高騰1回
17,211円高い

中国

9プランを比較

従量電灯より安いプラン

直近12か月6 / 9プラン
5年に高騰1回6 / 9プラン

従量電灯が上限で止まる期間0 / 24か月

直近12か月で最も安い条件なしのプラン

TERASELプラン

直近12か月
3,813円安い
5年・高騰1回
19,063円安い

四国

10プランを比較

従量電灯より安いプラン

直近12か月5 / 10プラン
5年に高騰1回5 / 10プラン

従量電灯が上限で止まる期間0 / 24か月

直近12か月で最も安い条件なしのプラン

まちエネ きほんプラン

直近12か月
9,430円安い
5年・高騰1回
47,149円安い

九州

6プランを比較

従量電灯より安いプラン

直近12か月4 / 6プラン
5年に高騰1回0 / 6プラン

従量電灯が上限で止まる期間18 / 24か月

直近12か月で最も安い条件なしのプラン

TERASELプラン

直近12か月
2,944円安い
5年・高騰1回
1,614円高い

沖縄

4プランを比較

従量電灯より安いプラン

直近12か月2 / 4プラン
5年に高騰1回2 / 4プラン

従量電灯が上限で止まる期間0 / 24か月

直近12か月で最も安い条件なしのプラン

沖縄電力 グッドバリュープラン

直近12か月
806円安い
5年・高騰1回
4,031円安い

固定単価型のプランを、月260kWh・割引込みで比較しています。「安い」は、直近12か月の差が年300円以上、5年の差が1,500円以上の場合です。5年の件数には、直近12か月ではほぼ同額でも5年で安くなるプランを含みます。5年の差は、5年のうち24か月が高騰した場合の合計です。従量電灯と同じ料金表のプランは数えていません。エリア名から、各エリアのプラン名と金額を見られます。

2022〜23年に東京で起きたこと(当時の料金表での実績)

東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bは、2022年9月分〜2023年5月分の燃料費調整が上限で計算されました。

この間、上限のないCDエナジーダイレクトと東京ガスの電気は9か月、ENEOSでんきは上限をなくした2022年12月分からの6か月、従量電灯Bより高くなりました。

最も差が大きかったのは2023年2月分で、月1,785〜1,878円です。

従量電灯Bとの差(2022年9月分〜2023年5月分、円/月、260kWh)
グラフを押すと、その月の値が出ます。
  • 0の線が従量電灯Bです。
月従量電灯BCDエナジーダイレクト ベーシックでんきBENEOSでんき 東京Vプラン東京ガスの電気 基本プラン
2022年9月分8,284+148−271+178
2022年10月分8,284+556−271+586
2022年11月分8,284+985−271+1,015
2022年12月分8,284+1,557+1,494+1,587
2023年1月分8,284+1,835+1,772+1,865
2023年2月分8,284+1,848+1,785+1,878
2023年3月分8,284+1,497+1,434+1,527
2023年4月分8,320+1,087+1,024+1,117
2023年5月分8,320+816+805+846
9か月の合計+10,329+7,501+10,599
この表の見方
  • 円。
  • 月260kWh・30A、料金のみ(再エネ賦課金・国の値引き・割引を除く)。
  • プランの列は従量電灯Bとの差で、+ はプランのほうが高い。
  • ENEOSでんきは2022年11月分まで従量電灯Bと同じ上限があり、2022年12月分から上限を廃止しました。

上限で計算されなかった月(2022年1〜8月分と2023年7月分〜2026年11月分の49か月。2026年11月分のENEOSでんき・東京ガスの電気は改定前の料金表のまま計算)の差の中央値は、CDエナジーダイレクト 月 −206円、ENEOSでんき 月 −217円、東京ガスの電気 月 −176円です。

2022年1月〜2023年12月の24か月の合計は、CDエナジーダイレクト +6,758円、ENEOSでんき +3,349円、東京ガスの電気 +7,608円で、3プランとも従量電灯Bより高くなりました(2023年6月分は従量電灯Bの改定の前後が半分ずつとして計算)。

東京電力エナジーパートナーは2023年6月1日に従量電灯などの規制料金を改定し、基準燃料価格は44,200円/klから86,100円/klに、上限は66,300円/klから129,200円/klになりました。

いまの東京の料金表では、2022〜23年の燃料価格でも上限に届きません。

上の表の逆転は、いまの料金表ではそのまま起きない計算です。

市場連動型のプラン

卸売電力市場の価格で電力量料金が変わるプランは、燃料費調整の上限とは別の理由で高くなります。

10エリアで比べた市場連動型のプラン134件(同じプランもエリアごとに1件)のうち、直近12か月の条件で従量電灯より年300円以上安いのは12件です(北海道・四国)。

市場連動型のプランで起きたことに、市場価格の推移と計算をまとめています。

解約金・契約期間・申込条件のあるプラン

比べたプランのうち、解約金・違約金、契約期間、申込の条件(ガスの契約など)の定めがあるものです。

乗り換えた後に元のプランや従量電灯に戻すと、費用がかかったり、すぐには変えられなかったりすることがあります。

プラン解約金・契約期間・条件
ドコモでんき Basic Mプラン解約金・最低利用期間なし。2026年12月使用分(2027年1月検針分)から「電力市場連動単価」が加わる(この計算には入れていない)
ソフトバンク おうちでんき(A)契約期間1年(自動更新)。解約事務手数料550円(初月無料の適用者は1年未満の解約で違約金3,000円)
ソフトバンク 自然でんき契約期間1年(自動更新)。解約事務手数料なし
アルカナ おうちでんき供給開始から1年以内に終了すると解約手数料22,000円
auでんき でんきMプラン解約金なし(入会キャンペーンの適用者は12か月以内の解約で2,200円)
北ガスの電気 従量電灯B最低利用期間12か月
北ガスの電気 従量電灯Bプラス北ガスグループ等のガス契約が条件。最低利用期間12か月
Looopでんき スマートタイムONE解約手数料なし。契約容量を変えたあと1年は再変更できない
リミックスでんき Styleプラス
リミックスでんき Styleプラスeco
契約期間1年(自動更新)。訪問販売・電話勧誘で契約した場合は1年以内の解約で違約金3,000円(税別)
おてがるでんき ファミリーライトシンプル契約期間2年(自動更新)。期間中の解約は違約金5,000円
ハーモニーでんき ベネフィットプラン
ハーモニーでんき ファミリーSプラン
最低契約期間24か月。解約違約金は1か月目12,000円から毎月500円ずつ減る
ENEOSでんき Vプラン
ENEOSでんき Aプラン
2年契約の割引(にねん とく2割)込み。途中解約1,100円(更新月を除く)
まちエネ きほんプラン解約金なし。契約期間1年(自動更新)。契約容量の新設・増加から1年未満の解約は託送料金の精算を請求される場合あり
北陸ガス+でんき ベーシック
北陸ガス+でんき バリュー
北陸ガスのガス契約とあわせた契約(ガスを解約すると電気も解約)。解約金なし
ドリームでんき ファミリーM契約期間と解約金の記載が公式の資料の間で一致していない(重要事項説明書は2年、FAQは3年・解約金なし)
ソフトバンク おうちでんき(T)2年契約。24か月以内の解約は契約解除料5,000円と解約事務手数料550円(初月無料の適用者は1年未満の解約で違約金3,000円)
エルピオでんき 新スタンダードプランS解約手数料なし。プラン変更後1年は再変更できない
東邦ガスの電気 ファミリープラン解約金なし。契約電流の新設・増加から1年未満の解約は託送料金の精算を請求される場合あり
四国ガス ガポタでんき四国ガスグループのガス契約が条件。解約金なし
西部ガスの電気 プラスでんきプラン1解約金・事務手数料なし。都市ガスの契約がない場合はクレジットカード払い
沖縄ガスニューパワー CO2ゼロ従量電灯プラン供給開始から2年未満に他社へ切り替えると解約事務手数料5,000円
この表の見方
  • 各社の約款・重要事項説明書(2026年10月8日確認)。

解約金を払って移ると何か月で取り戻せるか、解約金がかからなくなるまで待つほうが得かは、各プランのページの「解約金を払っても移るほうが得か」にエリアごとに載せています(ENEOSでんき、リミックスでんき、アルカナ おうちでんき、ハーモニーでんき、おてがるでんき、ソフトバンクでんき、auでんき、沖縄ガスニューパワー)。

大手電力会社の自由料金(ポイントつきのプランなど)には、解約金はなくても、一定の期間は従量電灯などへ変更できないものがあります。

  • 北海道電力 エネとくポイントプラン: 解約手数料の定めなし。契約期間の途中は他のプランに原則変更できない
  • 東北電力 よりそう+eねっとバリュー: 解約金の定めなし。契約期間の途中は従量電灯などへの変更が原則できない
  • 中部電力ミライズ ポイントプラン: 解約手数料の定めなし。契約期間の途中は他のプランに原則変更できない
  • 関西電力 withポイント でんき: 解約金の定めなし。適用後1年は他のメニューに原則変更できない。年度の途中で解約するとポイントは付かない
  • 中国電力 ぐっとずっと。プラン スマートコース: 解約金なし。加入後1年は他のメニューに原則変更できない
  • 四国電力 おトクeプラン: 解約金の定めなし。開始後1年は他の契約種別に原則変更できない。ありがとう割引(年1回1,056円)は、需給開始の翌月から数えて12か月目の料金から付くため、最初の12か月の差には入らず、2年目以降の差に入る
  • 九州電力 スマートファミリープラン: 解約金なし(2年契約割引を付けた場合は2年未満の解約で割引分を精算)。適用後1年は他の契約種別に原則変更できない

従量電灯に戻れるか

従量電灯の契約期間は、契約した年度の末日までで、その後は1年ごとに同じ条件で続きます(各社の特定小売供給約款)。

新電力から従量電灯に戻る方法について、各社の公式の案内を下の表にまとめました。

エリア戻り方(公式の案内)
北海道北海道電力には他社からの切替の窓口(Webと電話0120-12-6565、平日9〜17時)があります。従量電灯Bを選べるかの明示は、公式の案内に見当たりません。
東北東北電力には「他社からのお切替え」の申込フォームと電話(0120-175-028、月〜金9〜17時)があります。従量電灯Bを選べるかの明示は、公式の案内に見当たりません。
東京東京電力エナジーパートナーは、新電力から従量電灯Bなどへの切替を電話でのみ受け付けています(0120-995-001、月〜土9〜17時)。適用は次回の検針日かその翌月の検針日からで、切替の手数料はかかりません。
中部中部電力ミライズにはWeb(カテエネ)と電話の窓口があります。新電力から従量電灯Bに戻れるかの明示は、公式の案内に見当たりません。戻れないとする記載もありません。
北陸北陸電力の他社からの切替のページには「お申し込みを承っております」とあり、Webと電話(0120-776-453)の窓口があります。従量電灯を選べるかの明示はありません。
関西関西電力の他社からの切替のWeb申込メニューに、従量電灯Aが載っています。
中国中国電力は、従量電灯Aなど従来の料金メニューを希望する場合は専用のフリーダイヤル(0120-333-935)で申し込むよう案内しています。開始は次回か次々回の検針日です。
四国四国電力の他社からの切替のページの「選べる料金プラン」に、従量電灯Aが載っています。切替は約2〜4週間後です。
九州九州電力の従量電灯Bのページは、申込先として「インターネットお申込み」と営業所のお問い合わせ先を案内しています。Webの「他社からの切替え(変更)のお申込み」では、郵便番号で提供エリアを確かめたあと、いまの契約の供給地点特定番号・お客さま番号・電力会社名を入れます。いまの電力会社への解約の手続きは、九州電力が行います。Webの申込で従量電灯Bを選べるかは、契約情報を入れた先の画面にあるため、確かめていません。九州電力のFAQには、他社から九州電力に切り替えるときに「当社から請求する費用はありません」とあります。
沖縄沖縄電力の他社からの切替のWeb申込の対象に、従量電灯が含まれています(離島は電話)。切替は5営業日程度で、翌検針日から始まります。
この表の見方
  • 各社の公式サイト(2026年10月7日〜9日確認)。
  • エリア名から、各エリアの従量電灯のページを見られます。

どれも2026年11月以降の料金表で計算しています。